【行政書士試験】経済的自由・人身の自由と社会権のトレーニング問題
●次の問のうち正しいものには○、誤っているものには×をつけなさい。
(1)小売市場の適正配置(距離制限)規制により、小売市場の出店規制が行われても、憲法違反ではない。
〇…小売市場の出店規制は、小売市場の乱設に伴う小売商相互間の競争による共倒れを防ぐ理由から、小売商を保護するという積極目的規制(政策規制)であり、憲法に反しない。
【重要判例】小売市場距離制限事件
(2)酒類販売業の免許制により酒類販売業をすることができない人がいても、職業選択の自由を保障する憲法22条に同免許制が違反するとはいえない。
〇…酒類販売業の免許制は、酒類販売業者の確実な経営を通じて酒税収入を保全するための措置であり、職業選択の自由を侵して違憲であるとまではいえない。
【重要判例】酒類販売業の免許制事件
(3)既存の薬局から一定以上の距離を置かないと新規に薬局を開業できないとする薬局の適正配置規制(距離制限)は、新規に薬局を開業しようとする者の職業選択の自由を奪うことになるので、職業選択の自由を保障する憲法22条に違反する。
〇…不良医薬品の供給から国民を守るために一定の資格要件で薬局を限定することは、公共の福祉に適合する合理的措置である。しかし、薬局の距離制限は、不良医薬品の供給防止のための必要かつ合理的な規制とはいえず、憲法22条1項に違反する。
【重要判例】薬局距離制限事件
(4)義務教育は保障されているが、学問の自由は憲法上、保障されているものではない。
x…憲法23条に「学問の自由は、これを保障する」とあり、憲法上、明確な保障の対象となっている。
第二十三条
学問の自由は、これを保障する。
(5)職業選択の自由は、「公共の福祉に反しない限り」という留保つきでの保障である。
〇…憲法 22条1項に「何人も、公共の福祉に反しない限り、居住、 「移転及び職業選択の自由を有する」とある。
(6)在留外国人や永住許可資格者とは異なり、日本国民には居住、移転の自由が絶対的に保障されている。
x…憲法22条1項より、何人に対しても「公共の福祉に反しない限り」という留保つきで、
居住、移転の自由が保障されている。
第二十二条
一項
何人も、公共の福祉に反しない限り、居住、移転及び職業選択の自由を有する。
二項
何人も、外国に移住し、又は国籍を離脱する自由を侵されない。
(7)日本は資本主義・自由主義国なので、私有財産は所有者の意に反する使い方をすることは許されていない。
×…私有財産は、正当な補償の下に、これを公共のために用いることができる
第二十九条
一項
財産権は、これを侵してはならない。
二項
財産権の内容は、公共の福祉に適合するやうに、法律でこれを定める。
三項
私有財産は、正当な補償の下に、これを公共のために用ひることができる
(8)奴隷制度は認められないので、何人も絶対にその意に反する苦役に服させられない
と憲法で保障されている。
×…「絶対に」ではなく、「犯罪に因る処罰の場合を除いては」その意に反する苦役に服させられないと保障されている。
第十八条
何人も、いかなる奴隷的拘束も受けない。又、犯罪に因る処罰の場合を除いては、その意に反する苦役に服させられない。
(9)何人も、外国に移住し、または国籍を離脱する自由を侵されない。
〇…外国に移住することも、日本国籍を捨てて外国人になることも自由である。
第二十二条
一項
何人も、公共の福祉に反しない限り、居住、移転及び職業選択の自由を有する。
二項
何人も、外国に移住し、又は国籍を離脱する自由を侵されない。
(10)何人も、法律の定める手続によらなければ、その生命もしくは
自由を奪われ、またはその他の刑を科せられない。
〇…問題文の通り。
第三十一条
何人も、法律の定める手続によらなければ、その生命若しくは自由を奪はれ、又はその他の刑罰を科せられない。
(11)財産権に加えられる規則が是認されるものかどうかは、規制の目的・必要性・内容、その規制によって制限される財産権の種類・性質及び制限の程度等を比較衡量して決すべきである。
〇…問題文通り。
(12)憲法18条は、「何人も、いかなる奴隷的拘束を受けない」と定めるが、最高裁判例は、「公共の福祉」を理由とした例外を許容する立場を明らかにしている。
×…奴隷的拘束は、絶対に禁止されている。例外は一切なく、公共の福祉による例外も許されない。
×…国は、子供自身の利益の擁護の為、あるいは子供の成長に対する社会公共の利益と関心に応えるため、必要かつ相当と認められる範囲において、教育内容を決定する権能を有する。
【重要判例】旭川学力テスト事件
(14)使用者に対する経済的地位の向上と直接の関係があるとはいえない政治目的のために争議行為を行うことは、私企業の労働者であると公務員であるとを問わず、憲法28条の保障を受けない
〇…問題文の通り。
【重要判例】全農林警職法事件
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