【重要判例】阪神電鉄事件/大判昭7.10.6
どうもTakaです。今回は、胎児が不法行為の後に生まれた場合に、遡って権利能力があったのかどうかが争点となった阪神電鉄事件について紹介したいと思います。
阪神電鉄事件の内容
Aさん(男性)とBさん(女性)は、婚姻届けを間もなく出すつもりでおり、BさんはAさんの子供Cを懐妊していた。3月15日にAさんがX鉄道会社の電車にはねられて負傷し、死亡した。20日に、Aさんの父EさんがAさんの死亡による損害賠償に関して権限を与えられ、X鉄道会社と交渉し1000円(大正15年当時)を受け取り、今後この件について一切請求しないという内容の和解契約をX鉄道会社と締結した。4月17日にCが生まれ、Aさんが生存していればAさんより養育を受けられたのにそれが受けられなくなった等を主張して、X鉄道会社に対して損害賠償を請求した。
阪神電鉄事件の争点
①民法721条の「既に生まれたものとみなす」とはどのような意味?
②Aさんの父Eさんの交渉は、子供Cを代理した有効な処分と認められるか?。
判決のポイント
①胎児が不法行為の後に生きて生まれた場合に、不法行為の時点にさかのぼって権利能力があったとみなすという意味。
②有効な処分と認められない。
→民法上出生以前にその処分行為を代行すべき機関に関する規定がないから。
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