2019年6月29日土曜日

薬局距離制限事件って何?行政書士試験頻出の重要判例

【重要判例】薬局距離制限事件/最大判昭50.4.30


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薬局距離制限事件の内容


広島県で薬局を開設することを決めたAさんは、薬事法に基づいて薬局の営業許可を県知事に申請したが、配置基準の規定に適合しないという理由で不許可処分となった。そのため、Aさんは、薬局開設の距離制限を定めた薬事法の規定は憲法22条1項に違反するとして、不許可処分の取消しを求める訴えを提起した。

※この事件の判決は日本国憲法下で最高裁判所が言い渡した史上2例目の法令違憲判決です。

薬局距離制限事件の争点


薬局開設の許可基準として距離制限を定めた規定は、憲法22条1項に違反するか。

第二十二条 何人も、公共の福祉に反しない限り、居住、移転及び職業選択の自由を有する。

判決のポイント


薬局の距離制限は、国民の生命・健康に対する危険の防止、具体的には不良医薬品の供給防止、という消極目的の規制であるので、規制の必要性・合理性の審査、より緩やかな規制手段で目的が達成できるかの検討が必要だと考えられました。

消極目的規制
国民の健康を守るための規制。
難しく言うと、個人の自由な経済活動からもたらされる諸々の弊害が、社会公共の安全と秩序の見地から看過することができない場合に、必要かつ合理的な規制である限り許される規制。

検討すると、
薬局の距離制限規定は、規制の必要性と合理性の存在は認められない。
また、立法目的である不良医薬品の供給防止は、より緩やかな規制手段(行政法上の取り締まりの強化)によって十分に達成できるので違憲である。と考えられました。

・距離制限規定が合憲だった例
【重要判例】公衆浴場距離制限事件
【重要判例】小売市場距離制限事件




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