2019年7月8日月曜日

塩見訴訟って何?行政書士試験で頻出の重要判例・・社会保障上の施策において在留外国人をどのように処遇するか?

【重要判例】塩見訴訟/最判平元年3.2



塩見訴訟

どうもTakaです。今回は国民年金法の国籍条項は、憲法14条、憲法25条等に違反するか?
ということについて争われた堀木訴訟を紹介したいと思います、

塩見訴訟の内容


戦前に大阪で、朝鮮人の両親の下に生まれたAさんは、子供の頃のはしかにより失明しました。終戦後、サンフランシスコ講和条約の締結により、日本は朝鮮に対する領土主権を喪失して、日本に在留する朝鮮人、台湾人も日本国籍を失うこととなりました。Aさんは国民年金法(81年改正前)別表1級に該当する状態にあった。33歳の時に日本人男性と結婚、その後、36歳の時に日本に帰化しました。 障害福祉年金は未加入の人には支給されません。しかし、20歳になる前に障害者であった場合は、20歳の誕生日に障害の認定を行います。その後にAさんは日本国籍を取得し、大阪府知事に対して国民年金法81条1項の障害福祉年金受給請求を行ったが、同法56条1項但書により、廃疾認定日(身体障害を伴う回復不能の病であると認められた日)に国民でなかったことを理由に請求を却下されたので、処分の取り消しを求めて提起した。

塩見訴訟の争点


①限られた財源の下で福祉的給付を行うにあたり、自国民を在留外国人より優先的に扱うことも許されるか?

②障害福祉年金の支給対象者から在留外国人を除外しても、憲法に違反しないか?

国民年金法の国籍条項は、憲法14条、憲法25条等に違反するか?

第十四条 
すべて国民は、法の下に平等であつて、人種、信条、性別、社会的身分又は門地により、政治的、経済的又は社会的関係において、差別されない。

第二十五条 
一項 
すべて国民は、健康で文化的な最低限度の生活を営む権利を有する。 
二項 
国は、すべての生活部面について、社会福祉、社会保障及び公衆衛生の向上及び増進に努めなければならない。

判決のポイント


①限られた財源の下で福祉的給付を行うにあたり、自国民を在留外国人より優先的に扱うことも許される。

②障害福祉年金の支給対象者から在留外国人を除外しても、立法裁量の範囲内であるから、国民年金法の国籍条項は、憲法に違反しない。
国民年金法の国籍条項は、憲法14条、憲法25条等に違反しない


➡【リンク】最高裁裁判所HP・・ 昭和60(行ツ)92

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