2019年7月11日木曜日

村会議員出席停止事件って何?行政書士試験の重要判例・・議員を出席停止とする懲罰決議は司法審査の対象になる?

【重要判例】村会議員出席停止事件/最大判昭35.10.19


どうもTakaです。今回は地方議会における議員を出席停止とする懲罰決議が、司法審査の対象になるかが争われた村会議員出席停止事件について紹介したいと思います。

村会議員出席停止事件の内容


合併に伴い、役場の位置をめぐって村議会が紛糾し、この議案を成立させるために必要である出席議員の3分の2以上の同意を得られる見込みがなかったため、多数派が、反対派議員Aさん達を3日間の出席停止とする懲罰の決議をし、退席させた上で、村役場位置条例改正案を可決した。これに対して、Aさん達が懲罰および条例改正決議の向こうを争った事件です。

村会議員出席停止事件の争点


地方議会における議員を出席停止とする懲罰決議が、司法審査の対象になるか

判決のポイント


地方議会における出席停止の懲罰決議は、内部規律の問題であるから部分社会の法理により、司法審査の対象とならない。
一方、地方議会における議員の除名処分の懲罰決議は、重大事項で、内部規律の問題に止まらないので、司法審査の対象となる

※部分社会の法理とは?
部分社会の法理とは、一般市民社会とは異なる特殊な「部分社会」を形成し、一般市民法秩序と直接の関係を有さない内部的な問題は、司法審査の対象から除外されるという考えである。「部分社会」の具体例は、地方議会、大学や政党がある。


※地方議会の議員懲罰
出席停止 → 司法審査の対象外×(内部的な問題)
除名 → 司法審査の対象内○(重大問題)政党の除名

※除名処分に対する司法審査
地方議会の議員懲罰としての除名処分 →○
政党による党員処分としての除名処分 →×
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