2019年6月27日木曜日

小売市場距離制限事件って何?行政書士試験頻出の重要判例

【重要判例】小売市場距離制限事件/最大判昭47.11.22


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どうもTakaです。今回は営業の自由に対する小売市場開設の許可制は、営業の自由を侵害し、憲法22条1項に違反するかが問題となった小売市場距離制限事件を紹介したいと思います。

小売市場距離制限事件の内容


無許可で小売市場を開設したため、小売市場の許可制を定めている小売商業調整特別措置法に違反したとして起訴されたAさんが、同胞の許可制および許可条件としての距離制限規定は、営業の自由を侵害するとして争った。

小売市場距離制限事件の争点


小売市場開設の許可制は、営業の自由を侵害し、憲法22条1項に違反するか?

第二十二条 何人も、公共の福祉に反しない限り、居住、移転及び職業選択の自由を有する。

判決のポイント


営業の自由に対する規制は、消極目的規制と積極目的規制に区別できます。

①消極目的規制
国民の健康を守るための規制。
難しく言うと、個人の自由な経済活動からもたらされる諸々の弊害が、社会公共の安全と秩序の見地から看過することができない場合に、必要かつ合理的な規制である限り許される規制。

積極目的規制
社会的経済的弱者を守るための規制。
難しく言うと、経済的劣位に立つ者に対する適切な保護政策を要請する規制。

小売市場に対する規制は、②の積極目的規制であり、
小売市場の濫設による過当競争によって生じる共倒れを防止することや中小企業の保護という目的の為、立法目的に合理性があり、規制の手段・容態が著しく不合理とは認められないので、憲法22条1項に違反しない。すなわち、積極目的規制の法律については、「当該規制手段が著しく不合理であることが明白である場合に限って違憲である」とする、明白性の原理(国が国民を規制するのに、明らかに合理性を欠く場合は違憲となり許されないという判断基準を採用すること。裏を返せば、この基準で判断する場合は、合理性がある場合は規制することができること)を採用し、合憲と判示しました。

小売市場開設の許可制(距離制限)は憲法22条1項に違反しない。


➡️【リンク】最高裁判所HP

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