【行政書士試験】人権総論のトレーニング問題
●次の問のうち正しいものには○、誤っているものには×をつけなさい。
(1)憲法の定める基本的人権のうち重要なものは、
単に国家権力に対する自由権を保障するのみではなく、
社会生活の秩序原理でもある。
これは、一定の範囲において、
国民相互の法律関係に対して直接の意味を有する。
×…憲法の人権規定は、原則として国または
公共団体の統治行動に対するものであって、
私人相互の関係を直接規律するものではない。
(2)憲法19条、14条の規定は、
国または公共団体の統治行動に対して
個人の基本的な自由を保障する目的に出たもので、
私人相互の関係を直接規律することを予定するものではない。
〇…問題文通り
【重要判例】三菱樹脂事件
(3)就業規則中女子の定年年齢を男子より低く定めた部分は、
専ら女子であることのみを理由として差別したことに帰着し、
性別のみによる不合理な差別を定めたものとして
民法90条の規定により無効である。
〇…問題文通り
【重要判例】日産自動車事件
(4)憲法13条以下で保障されている諸権利のなかで、
「国民」を主語としている権利については、
日本に在留する外国人に対して保証が及ばないとするのが、判例である。
×…憲法第3章の人権規定は、性質上日本国民を
対象としているものを除き、在留外国人にも等しく及ぶ。
(5)外国人の法律上の権利に関して、外国人は、
憲法上日本に入国する自由を保障されてはいないが
憲法22条1項は、居住・移転の自由の一部として
海外渡航の自由も保障していると解されるため、
日本に在留する外国人が一時的に海外旅行のため
出国し、再入国する自由も認められる。
×…外国人には、入国の自由と在留権が否認されて
いることからすると、再入国の自由も保障されない。
【重要判例】森永キャサリーン事件
(6)憲法第3章の諸規定による基本的人権の保障は、
権利の性質上日本国民のみをその対象としているものを除き、
我が国に在留する外国人に対しても等しく及ぶ。
〇…問題文通り
【重要判例】マクリーン事件
(7)不法入国の外国人といえども、日本に在住する限り、
その基本的人権および一般私権は保護されなければならない。
〇…問題文通り
【重要判例】嫡出子の出生届と養子縁組
(8)社会保障上の施策において在留外国人を
どのように処遇するかについては、
国はその政治的判断によって決定することができ、
限られた財源の下で福祉的給付を行うに当たって、
自国民を在留外国人より優先的に扱うことも許される。
〇…判例では、社会保障上の施策において
自国民を在留外国人より優先的に扱い、
外国人に障害福祉年金を支給しなくても、憲法25条に違反しない。
【重要判例】塩見訴訟
(9)税理士会は、会社とはその法的性格を異にする法人であり、
その目的の範囲についても、
これを会社のような広範なものと解するならば、
法の要請する公的な目的の達成を阻害して
法の趣旨を没却する結果となることが明らかである。
〇…憲法第3章の人権規定は、性質上可能な限り、
法人にも適用されるというのが判例です。
判例では、法人である会社の政治的行為の自由を認め、
政治資金の寄付もその一環として許されるといっています。
(10)国家権力の統制下にある被収容者に対しては、
新聞や書籍を閲読する自由は憲法上保障されるべきではない
とするのが、判例である。
×…判例では、被収容者に対する新聞、書籍等の閲読の自由を
制限する場合であっても、監獄内の規律及び秩序の維持のために
真に必要と認められる限度にとどめられるべきものであるとしている。
監獄内の規律及び秩序維持のために必要とされる場合、
閲読の自由の制限も合憲となる。
【重要判例】よど号ハイジャック新聞記事抹消事件
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