2019年6月18日火曜日

外国人指紋押なつ拒否事件って何?行政書士試験で頻出の重要判例

【重要判例】外国人指紋押なつ拒否事件/最判平7.12.15


指紋の絵

どうもTakaです。梅雨のシーズンに入ってきましたね。
今回は指紋の押なつは憲法で保障されるのかという問題が裁判になった、外国人指紋押なつ拒否事件を紹介したいと思います。

外国人指紋押なつ拒否事件の内容


日系アメリカ人のAさんが、外国人登録原票、登録証明書等に押なつをしなかったため、
旧外国人登録法に違反したとして起訴された事件です。

外国人指紋押なつ拒否事件の争点


1. 指紋押なつを強制されない自由は、憲法13条で保障されるか。
2. 旧外国人登録法の指紋押なつ制度は、憲法13条に違反するか。

第十三条 すべて国民は、個人として尊重される。生命、自由及び幸福追求に対する国民の権利については、公共の福祉に反しない限り、立法その他の国政の上で、最大の尊重を必要とする。

※外国人登録法の指紋押なつ制度は、平成11年に廃止された。
なお、平成19年11月から、改正出入管理及び難民認定法に基づいて、特別永住者などを除いた16歳以上の外国人は、日本に入国するときに、指紋と顔写真を提供した上で、入国審査官の審査を受けることになった。


判例のポイント


何人もみだりに指紋の押なつを強制されない自由を有する。
⇒みだりに指紋の押なつを強制されない自由

指紋押なつ制度の立法目的には十分な合理性があり、その必要性も肯定でき、方法としても一般的に許容される限度を超えない相当なものであるので、憲法13条に違反しない。


判旨(最高裁判所HPより抜粋)

一 何人も個人の私生活上の自由の一つとしてみだりに指紋の押なつを強制されない自由を有し、国家機関が正当な理由もなく指紋の押なつを強制することは、憲法一三条の趣旨に反し許されない。

二 我が国に在留する外国人について指紋押なつ制度を定めた外国人登録法(昭和五七年法律第七五号による改正前のもの)一四条一項、一八条一項八号は、憲法一三条に違反しない。

【リンク】最高裁判所HP・・ 平成2(あ)848
 
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