2019年6月16日日曜日

猿払事件って何?行政書士試験で頻出の重要判例・・・政治的中立性を損なう恐れのある公務員の政治的行為の禁止

【重要判例】猿払事件/最大判昭49.11.6


ポスターを張る人

どうもTakaです。
今回は国家公務員の政治活動を一律に禁止する
国家公務員法等は、政治活動の自由を保障する
憲法21条に違反しないかという点が裁判となった、
猿払事件を紹介したいと思います。

猿払事件の内容


北海道猿払村の郵便局で機械的業務に従事する
郵便局員のAさんが日本社会党を応援する目的で、
勤務時間外に、選挙用ポスターを公営掲示板に提示したり、
そのポスターを他の人に配布してなどした。
この行為が、公務員の政治活動を禁止する
国家公務員法102条1項および人事院規則14-7に
違反するとして、Aさんが起訴された。

猿払事件の争点


国家公務員の政治活動を一律に禁止する国家公務員法等は、
政治活動の自由を保障する憲法21条に違反しないか?

第二十一条
集会、結社及び言論、出版その他一切の表現の自由は、これを保障する。

判決のポイント


合憲である。
国家公務員の政治活動の一律禁止が、
合憲か合憲ではないかを判断するには
次の3点から検討することが必要とされました。

1. 禁止の目的
⇒行政の中立的な運営と、これに対する国民の信頼の確保。

2. この目的と禁止される政治的行為との関連性
⇒公務員の政治的行為を一律に禁止する手段は、目的と合理的関連性がある。

3. 政治的活動を禁止することにより得られる利益と
禁止することにより失われる利益とのバランス

⇒公務員の政治的行為の禁止によって得られる利益と、
失われる利益とのバランスは取れている。得られる利益の方が大きい。

公務員の政治活動を刑罰によって禁止する措置は、
目的が正当であり、禁止目的との間に合理的な関連性があり、
またこれにより得られる利益は失う利益よりも大きい。

よって、国家公務員法102条1項および人事院規則14-7は
憲法21条に違反せず合憲である。


➡【リンク】最高裁判所HP・・ 昭和44(あ)1501

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