2019年6月22日土曜日

札幌税関検査事件って何?行政書士試験頻出の重要判例・・税関でのわいせつ物の輸入規制は検閲に当たる?憲法に違反する?

【重要判例】札幌税関検査事件/最大判昭59.12.12

税関検査事件を税関と書かれた絵にて表す


どうもTakaです。今回は検閲の意義やわいせつ表現物の輸入規制は、憲法21条に違反するのかが争点となった札幌税関検査事件を紹介したいと思います。

税関検査事件の内容


外国から性行為を撮影した映画・書籍等を郵便で輸入しようとしたAさんは、函館税関札幌税関支署長から関税定率法の定める輸入禁制品に該当する旨の通知を受けた。そこでAさんは、函館税関長に異議申し出をしたが、棄却されたため、当該通知及び棄却決定の取り消しを求めて提訴した。

税関検査事件の争点


1. 憲法21条2項で禁止される検閲の意義とは何か?
2. 輸入手続において税関職員が行う検査は検閲に当たるのか?
3. 税関検査によるわいせつ表現物の輸入規制は、憲法21条1項に違反するのか?
4. 合憲限定解釈の可否

判決のポイント


検閲は以下の通りに解釈されます。

①行政権が
②思想内容等の表現物を
③発表の禁止を目的に
④発表前に行われるものである。

検閲は憲法21条2項により、絶対的に禁止されています。

第21条 集会、結社及び言論、出版その他一切の表現の自由は、これを保障する。検閲は、これをしてはならない。通信の秘密は、これを侵してはならない。

しかしながら・・

1. 輸入書籍等は外国ですでに発表済みのものであるから、税関検査は検閲の定義を満たさず、検閲に当たらない。

2. わいせつ表現物の輸入を規制することは、公共の福祉に合致するから憲法21条1項に反しない。

3. 一定の要件の下で、合憲限定解釈(条文の文言の意味を限定することによって、違憲判断を避ける方法)が許容される。

規制された表現物は国外ですでに発表済みであり発表の機会が全面的に奪われるものではないこと、税関検査は思想を規制するものではないこと、税関長の通知には司法審査の機会が与えられており行政権が最終ではないことから、憲法第21条2項にいう検閲にはあたらないとされました。


【リンク】最高裁判所HP・・ 昭和57(行ツ)156

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