憲法総論のまとめ
どうも、今回は憲法の総論についてみなさんにご紹介したいと思います。
憲法って何だろう?
国家の統治のあり方の基本を定めた法のことを憲法といいます。
国家と国民の関係から憲法を表すと、
憲法とは、国家の権力行使を抑えて国民の自由を確保する法とも言えます。
憲法とは |
憲法と呼べる法は二つあります。ここで紹介することは、
つまり何が憲法であるかということです。
1.形式的意味の憲法
憲法という名のついた成分の法典(法律をまとめたもの)※豆知識
イギリスには、憲法という名の法典はありません。
国家の統治のあり方の基本は、通暁の法律の形式で
定められています。
2.実質的意味の憲法
法律の中身の概念が”国家の統治のあり方の基本を定めた法”であるもの。この意味の憲法は、固有の意味の憲法と呼ばれています。
また、内容に着目した実質的意味の憲法の一つとして、
立憲的意味の憲法(近代的意味の憲法)というものがあります。
これは、国家権力を制限して、国民の権利自由を保障するという
考え方(立憲主義)に基づく憲法です。
※歴史的には近代から始まったので、近代的意味の憲法ともいわれます。
例:イギリスの名誉革命
例:フランス革命
憲法保証制度について
憲法の最高法規性・・・憲法が一番強い理由
憲法は最強の効力を持つ法規です。
そのため、憲法の条規に反する法律、命令等は
その全部または一部が無効です。
憲法を最高の法規としたのは、憲法を越える法律があったとして
その法が人権保障を犯すような場合を阻止するために最高の法規と
したのです。(憲法98条)
第九十八条 この憲法は、国の最高法規であつて、その条規に反する法律、命令、詔勅及び国務に関するその他の行為の全部又は一部は、その効力を有しない。
日本国が締結した条約及び確立された国際法規は、これを誠実に遵守することを必要とする。
憲法尊重擁護義務…公務員は憲法守ることを求められている
憲法99条は、公務員に憲法尊重擁護義務を課しています
国政を担当し憲法を運用する公務員には
憲法を強く守るよう求められているからです、
第九十九条 天皇又は摂政及び国務大臣、国会議員、裁判官その他の公務員は、 この憲法を尊重し擁護する義務を負ふ。
憲法改正
憲法の改正って何?
成文憲法の条項に変更(修正・削除・追加)を加えること。
憲法で自ら定める手続きに従って行われる合法的な変更を
改正といいます。
憲法改正の手続き・国民の承認…変更するやり方
改正するには、国会の発議(国会が憲法改正案を決定すること)が必要です。この発議には各議院の総議員の3分の2以上の賛成が必要です。
ここで注意なのが、出席議員の3分の2ではなく、各議院の総議員で3分の2です。
ことが重大だからこの基準なんですね。
第九十六条 この憲法の改正は、各議院の総議員の三分の二以上の賛成で、国会が、これを発議し、国民に提案してその承認を経なければならない。この承認には、特別の国民投票又は国会の定める選挙の際行はれる投票において、その過半数の賛成を必要とする。
憲法改正について前項の承認を経たときは、天皇は、国民の名で、この憲法と一体を成すものとして、直ちにこれを公布する。
国民の承認…改正案を国民に提案
発議し各議院の総議員の3分の2以上の賛成が得られたら、
その国会が発議した改正案を国民に提案し、その承認を経なければなりません。
承認には、特別の国民投票を行うか、国会の定める選挙の際に投票を行い、
その過半数の賛成を得て初めて、憲法の改正は成立します。
天皇による公布
国民の承認により、改正が成立すると天皇が、国民の名で
直ちに交付します。
改正の限界
ここで一つの問いが出ます、
憲法96条の手続きを踏めば、いかなる改正も許されるのかという点です。
通説では、憲法制定権力(主権)の所在やその所産である基本原理を
変更することはできないといっています。
簡単に言うと、96条の手続きを踏んでも、国民主権を強引に変更したり
基本的人権を削除したりすることができないということです。
次は、国民主権と天皇制について紹介しています。
➡【リンク】国民主権と天皇制
このページではこの章のトレーニング問題を載せています。
➡【行政書士試験】トレーニング問題・・・憲法総論
本当にわかりやすいです。トレーニング問題も、条文がついているので、うれしいです。
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