【重要判例】ノンフィクション「逆転」事件/最判平6.2.8
どうもTakaです。今回はノンフィクション作品において前科等をみだりに公表されない権利は法律上の保護に値するのかという問題が裁判となったノンフィクション「逆転」事件を照会したいと思います。
ノンフィクション「逆転」事件の内容
Aさんは、傷害罪の実刑判決を受けた後、就職・結婚を経て平穏な暮らしを過ごしていましたが、後にBさんが執筆したノンフィクション小説「逆転」によって、その実名を掲載され、前科に関わる事実を公表されました。そのため、AさんはBさんに対して、プライバシー侵害を理由に損害賠償請求訴訟を提起しました。
ノンフィクション「逆転」事件の争点
ノンフィクション作品において前科等を公表されないという利益は、法律上の保護に値するのか?
判決のポイント
1. 前科等を公表されない利益は、法的保護に値する。前科は、だれでも最も隠しておきたい個人情報のひとつであること。
2. 前科等にかかわる事実を公表されない法的利益が優越する場合には損害賠償を求めることが認められる。
なお、追記ですが、
現在刊行されている『逆転』(岩波現代文庫)ではAさんの名前は仮名表記になっているそうです。
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