2019年7月11日木曜日

富山大学単位不認定事件って何?行政書士試験の重要判例・・大学における単位不認定行為は司法審査の対象となる?

【重要判例】富山大学単位不認定事件/最判昭和52.3.15



どうもTakaです。
今回は、大学における単位不認定行為は、
司法審査の対象となるかが争われた
富山大学単位不認定事件について紹介したいと思います。

富山大学単位不認定事件の内容


国立大学の学生Aさんが受講していた科目の担当教授であったBさんに対し、学部長は年度途中において授業停止の措置を採るとともに、学生に対して代替科目の受講を指示した。それにもかかわらず、Aさん達はB教授の講義を受講し続け、Bの講義を受講し続け、B教授による試験を受けて合格の判定を得た。これに対して大学側からの単位認定が行われなかったので、Aさん達は単位不認定の違法を確認する訴訟を提起した。

富山大学単位不認定事件の争点


①大学における単位不認定行為は、司法審査の対象となるか?
②大学における専攻科修了の不認定行為は、司法審査の対象となるか?

判決のポイント


大学における単位不認定行為は、原則として、一般市民法秩序と直接の関係を有しない内部的な問題であるから、部分社会の法理より、司法審査の対象とならない

②大学における専攻科修了の不認定行為は、内部問題に止まらないので、司法審査の対象となる

※大学の認定・不認定行為

単位の不認定
×…司法審査の対象外(内部問題)

専攻科修了(卒業)の不認定
→〇… 司法審査の対象内(重大問題)


村会議員出席停止事件って何?行政書士試験の重要判例・・議員を出席停止とする懲罰決議は司法審査の対象になる?

【重要判例】村会議員出席停止事件/最大判昭35.10.19


どうもTakaです。今回は地方議会における議員を出席停止とする懲罰決議が、司法審査の対象になるかが争われた村会議員出席停止事件について紹介したいと思います。

村会議員出席停止事件の内容


合併に伴い、役場の位置をめぐって村議会が紛糾し、この議案を成立させるために必要である出席議員の3分の2以上の同意を得られる見込みがなかったため、多数派が、反対派議員Aさん達を3日間の出席停止とする懲罰の決議をし、退席させた上で、村役場位置条例改正案を可決した。これに対して、Aさん達が懲罰および条例改正決議の向こうを争った事件です。

村会議員出席停止事件の争点


地方議会における議員を出席停止とする懲罰決議が、司法審査の対象になるか

判決のポイント


地方議会における出席停止の懲罰決議は、内部規律の問題であるから部分社会の法理により、司法審査の対象とならない。
一方、地方議会における議員の除名処分の懲罰決議は、重大事項で、内部規律の問題に止まらないので、司法審査の対象となる

※部分社会の法理とは?
部分社会の法理とは、一般市民社会とは異なる特殊な「部分社会」を形成し、一般市民法秩序と直接の関係を有さない内部的な問題は、司法審査の対象から除外されるという考えである。「部分社会」の具体例は、地方議会、大学や政党がある。


※地方議会の議員懲罰
出席停止 → 司法審査の対象外×(内部的な問題)
除名 → 司法審査の対象内○(重大問題)政党の除名

※除名処分に対する司法審査
地方議会の議員懲罰としての除名処分 →○
政党による党員処分としての除名処分 →×
【重要判例】共産党袴田事件


強制調停違憲決定事件って何?行政書士試験の重要判例・・公開を要する裁判とは何か?

【重要判例】強制調停違憲決定事件(適正な裁判手続)/最大決昭和35.7.6


裁判


どうもTakaです。今回は憲法82条により公開を要する裁判とは何かという点が争われた「強制調停違憲決定事件」について紹介したいと思います。

この事件は法令自体は合憲であるが、その法令を当該事件の当事者に適用する限りにおいて違憲とする適用違憲が下された有名な事件でもあります。

第八十二条  
一項
裁判の対審及び判決は、公開法廷でこれを行ふ。
二項
裁判所が、裁判官の全員一致で、公の秩序又は善良の風俗を害する虞があると決した場合には、対審は、公開しないでこれを行ふことができる。但し、政治犯罪、出版に関する犯罪又はこの憲法第三章で保障する国民の権利が問題となつてゐる事件の対審は、常にこれを公開しなければならない。

強制調停違憲決定事件の内容


借家をめぐる争いにつき、調停に変わる裁判として、非訟事件手続法の規定を適用し、非公開で、かつ決定の形式を持って事案の裁断がなされた。これにつき、Aさんは、裁判を受ける権利の憲法32条、裁判の公開の同82条に反して違憲であると主張し、最高裁に特別抗告をしました。

第三十二条
何人も、裁判所において裁判を受ける権利を奪はれない。

※非訟事件手続は、訴訟事件以外の裁判手続に関する法律であり、対審は非公開で行われる。

強制調停違憲決定事件の争点


憲法82条により公開を要する裁判とは何か?

判決のポイント


憲法82条により公開の対象となる裁判は、憲法32条と同じく純然たる訴訟事件の裁判を指すと判例ではいっています。

それでは、純然たる訴訟事件とは何か?

※純然たる訴訟事件
当事者の意思いかんにかかわらず終局的に事実を確定し、当事者の主張する権利義務の存在するかしないか(存否=そんぴ)を確認する裁判。

本件訴に対し、東京地方裁判所及び東京高等裁判所は、いずれも調停に代わる裁判をすることを正当としているのであって、裁判所の判断は、同法に違反するものであるばかりでなく、同時に憲法82条、32条に照らし、違憲であるとし、原判決を取り消し、事件をもとの裁判所へ送り返して,再度の審判を命じました。


➡【リンク】最高裁判所・・ 昭和26(ク)109


三井美唄炭鉱労組事件って何?行政書士試験で頻出の重要判例・・立候補の自由は憲法15条が保障する?

【重要判例】三井美唄炭鉱労組事件/最大判昭43.12.4


美唄炭鉱の跡地ー三井美唄炭鉱労組事件
美唄炭鉱の跡地の公園


どうもTakaです。今回は選挙への立候補の自由は、
憲法で保障されるかが争点となった三井美唄事件について紹介したいと思います。

三井美唄炭鉱労組事件の内容


市議会議員総選挙において、労働組合の役員であったAさん達は、
組合として統一候補を擁立することを決定しましたが、
前回選挙で当選していた組合員Bさんは、独自の立場で立候補しようとした。
Aさん達はBさんの立候補を断念させようと何回か説得を試みましたが、
Bさんがそれに応じなかったため、
Bさんに対して組合員としての権利を1年間停止する処分をしました。

この行為が、公職選挙法の禁止する
候補者に対する威迫にあたるとするとして、
Aさん達が、起訴された事件です。

三井美唄炭鉱労組事件の争点


公職選挙への立候補の自由は、憲法15条で保障されるか?

第十五条  
一項
公務員を選定し、及びこれを罷免することは、国民固有の権利である。
 
二項
すべて公務員は、全体の奉仕者であつて、一部の奉仕者ではない。
 
三項
公務員の選挙については、成年者による普通選挙を保障する。
 
四項
すべて選挙における投票の秘密は、これを侵してはならない。選挙人は、その選択に関し公的にも私的にも責任を問はれない。

判例のポイント


立候補の自由は保障される。
➡立候補の自由は、直接の規定はないが、憲法15条1項で保障される。


➡️【リンク】最高裁判所HP・・ 昭和38(あ)974

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2019年7月9日火曜日

ロッキード・丸紅ルート事件って何?行政書士試験で頻出の重要判例

【重要判例】ロッキード・丸紅ルート事件/最大判平7.2.22


ロッキード事件


どうもTakaです。今回は、民間会社の旅客機導入につき、内閣総理大臣は職務権限があると言えるかが争点となったロッキード事件について紹介したいと思います。

ロッキード・丸紅ルート事件の内容


ロッキード社の意向を受けた販売代理店丸紅の社長らが、当時の内閣総理大臣にロッキード社の旅客機の購入を全日空に勧奨(そのことをするようすすめ励ますこと)するように依頼し、成功報酬として現金5億円の供与を約束して、その承諾を得た。その後、全日空の同機購入がなされたために金銭授受が行われ、贈賄罪などで起訴された事件です。

ロッキード・丸紅ルート事件の争点


民間会社の旅客機導入につき、内閣総理大臣は職務権限があると言えるか?

判決のポイント


内閣総理大臣が運輸大臣(現国土交通大臣)に対し、民間航空会社に特定の航空機の選定購入を勧奨するように働きかけることは、内閣総理大臣の運輸大臣に対する指示として、贈賄罪の職務行為にあたる。


➡️【リンク】最高裁判所HP・・ 昭和62(あ)1351

2019年7月8日月曜日

トレーニング問題のまとめページ

★行政書士試験のトレーニング問題まとめページ


トレーニング

このページでは行政書士試験合格の為のトレーニング問題をまとめてみました。
ご活用ください。


★トレーニング問題のまとめ

★憲法の項目★

1. 憲法総論まとめ

2. 国民主権と天皇制まとめ

3. 人権総論

4. 一般的基本権と参政権・受益権

5. 精神的自由

6. 経済的自由・人身の自由と社会権

7. 国会

8. 内閣と財政

9. 司法

10. 地方自治


★行政法の項目★

1. 行政の原理

2. 行政組織

3. 行政立法

4. 行政行為

5. 行政指導
6. 行政手続法
7. 行政上の強制措置
8. 行政不服審査法
9. 行政事件訴訟法
10. 国家賠償法
11. 地方自治法
12. 情報公開法


★民法★

1. 民法の基本原則と権利の主体

2. 意思表示と権利の変動

3. 代理制度

4. 時効制度

5. 物権総論

6. 所有権と占有権

7. 担保物権

8. 債権

9. 債務不履行

10. 債務の履行確保

11. 契約総論

12. 売買と贈与

13. 物の貸し借り

14. 他人の労務の利用

15. 契約以外の債権発生原因

16. 家族法


★商法★

1. 商人

2. 商行為
3. 持分会社
4. 株式会社の設立
5. 株式制度
6. 株式会社の機関
7. 資金調達
8. 会社の計算
9. 組織再編


★基礎法学★

1. 法の基礎知識

2. 法律用語と法の解釈

3. 紛争解決


★一般知識★

1. 政治

2. 経済

3. 社会

4. 情報通信

5. 個人情報保護法



塩見訴訟って何?行政書士試験で頻出の重要判例・・社会保障上の施策において在留外国人をどのように処遇するか?

【重要判例】塩見訴訟/最判平元年3.2



塩見訴訟

どうもTakaです。今回は国民年金法の国籍条項は、憲法14条、憲法25条等に違反するか?
ということについて争われた堀木訴訟を紹介したいと思います、

塩見訴訟の内容


戦前に大阪で、朝鮮人の両親の下に生まれたAさんは、子供の頃のはしかにより失明しました。終戦後、サンフランシスコ講和条約の締結により、日本は朝鮮に対する領土主権を喪失して、日本に在留する朝鮮人、台湾人も日本国籍を失うこととなりました。Aさんは国民年金法(81年改正前)別表1級に該当する状態にあった。33歳の時に日本人男性と結婚、その後、36歳の時に日本に帰化しました。 障害福祉年金は未加入の人には支給されません。しかし、20歳になる前に障害者であった場合は、20歳の誕生日に障害の認定を行います。その後にAさんは日本国籍を取得し、大阪府知事に対して国民年金法81条1項の障害福祉年金受給請求を行ったが、同法56条1項但書により、廃疾認定日(身体障害を伴う回復不能の病であると認められた日)に国民でなかったことを理由に請求を却下されたので、処分の取り消しを求めて提起した。

塩見訴訟の争点


①限られた財源の下で福祉的給付を行うにあたり、自国民を在留外国人より優先的に扱うことも許されるか?

②障害福祉年金の支給対象者から在留外国人を除外しても、憲法に違反しないか?

国民年金法の国籍条項は、憲法14条、憲法25条等に違反するか?

第十四条 
すべて国民は、法の下に平等であつて、人種、信条、性別、社会的身分又は門地により、政治的、経済的又は社会的関係において、差別されない。

第二十五条 
一項 
すべて国民は、健康で文化的な最低限度の生活を営む権利を有する。 
二項 
国は、すべての生活部面について、社会福祉、社会保障及び公衆衛生の向上及び増進に努めなければならない。

判決のポイント


①限られた財源の下で福祉的給付を行うにあたり、自国民を在留外国人より優先的に扱うことも許される。

②障害福祉年金の支給対象者から在留外国人を除外しても、立法裁量の範囲内であるから、国民年金法の国籍条項は、憲法に違反しない。
国民年金法の国籍条項は、憲法14条、憲法25条等に違反しない


➡【リンク】最高裁裁判所HP・・ 昭和60(行ツ)92