【行政書士試験】時効制度のトレーニング問題
最終更新日:2020年1月10日
●次の問のうち正しいものには○、誤っているものには×をつけなさい。
★時効とは何か?
(1)時効とは、一定の事実状態が永続する場合に、それが真実の権利関係と一致するか否かを問わず、そのまま権利関係として認めようとする制度のことである。〇…問題文の通り。
(2)時効は、一定期間が経過した事項の完成後から、その効力を発生する。
×…時効は、起算日に遡って、その効力を発生する。
民法 第144条
時効の効力は、その起算日にさかのぼる。
(3)時効の完成後、時効を援用しないという選択をし、時効の利益を放棄することもできる。
〇…時効は当事者が援用することも、援用しないことも選択することができる。
(4)旅館や飲食店の代金は、1年間で消滅時効にかかる。
〇…1年の短期消滅時効である。
民法 第174条
次に掲げる債権は、一年間行使しないときは、消滅する。
一 月又はこれより短い時期によって定めた使用人の給料に係る債権
二 自己の労力の提供又は演芸を業とする者の報酬又はその供給した物の代価に係る債権
三 運送賃に係る債権
四 旅館、料理店、飲食店、貸席又は娯楽場の宿泊料、飲食料、席料、入場料、消費物の代価又は立替金に係る債権
五 動産の損料に係る債権
(5)弁護士や公証人の職務に関する債権は、2年間で消滅時効にかかる。
〇…2年の短期消滅時効である。なお、2年間は事件が終了したときから起算する。
民法 第172条
1項
弁護士、弁護士法人又は公証人の職務に関する債権は、その原因となった事件が終了した時から二年間行使しないときは、消滅する。
2項
前項の規定にかかわらず、同項の事件中の各事項が終了した時から五年を経過したときは、同項の期間内であっても、その事項に関する債権は、消滅する。
(6)債権者が裁判に訴える(請求する)ことで、時効を中断させることができる。
〇…訴えが却下されたり、自ら取り下げたりした場合は、時効は中断しない。
民法 第147条
時効は、次に掲げる事由によって中断する。
一 請求
二 差押え、仮差押え又は仮処分
三 承認
民法 第149条
裁判上の請求は、訴えの却下又は取下げの場合には、時効の中断の効力を生じない。
★時効の援用
(7)借金があり、返済する意思があっても、時効になると、法律行為を速やかに安定させる必要があり、借金を返済することは出来なくなってしまう。×…時効の援用をせずに、借金を返済することもできる。
(8)時効の援用は、債務者本人だけが出来ることで、保証人はできない。
×…時効によって利益を得るものが事項の援用をすることができるので、保証人も時効を援用できる。
★時効の中断と停止
(9)時効が中断し、新たに進行を始めた時は、残りの時間だけで時効が完成する。×…時効が中断すると、進行した時効は振出しに戻る。
★取得時効
(10)取得時効とは、例えれば、土地の所有者のような外観でその土地に権利行使をしている状態が長期間続くと、法的にもその土地の所有権の取得を認めようという制度である。〇…問題文の通り。
(11)AはB所有の土地をBの所有であると知りつつ、所有の意思を持って平穏かつ公然に10年間占有した場合、その土地の所有権を取得する。
×…善意無過失で占有を始めた場合には、占有期間が10年に短縮される。善意無過失が要求されるのは、占有開始の時だけ。悪意・有過失の場合は20年。
★消滅時効
(12)消滅時効とは、権利を行使せず放置しているために、その権利が存在しないかのような状態が長期間続いた場合には、法的にもその権利は存在しないものと扱う制度である。〇…問題文の通り。
(13)10年間行使されなかった債権は消滅する。
〇…10年が民事債権の消滅時効である。
民法167条
1項
債権は、十年間行使しないときは、消滅する。
2項
債権又は所有権以外の財産権は、二十年間行使しないときは、消滅する。
(14)権利を行使することができる時から消滅時効は進行する。
〇…消滅時効進行の原則。
民法166条
1項
消滅時効は、権利を行使することができる時から進行する。
2項
前項の規定は、始期付権利又は停止条件付権利の目的物を占有する第三者のために、その占有の開始の時から取得時効が進行することを妨げない。ただし、権利者は、その時効を中断するため、いつでも占有者の承認を求めることができる。
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