【行政書士試験】意思表示と制限行為能力者・・トレーニング問題
●次の問のうち正しいものには○、誤っているものには×をつけなさい。
★意思表示
(1)意思表示とは、一定の法律効果を発生させる意思を外部に表すことである。○…何らかの「法律効果を発生させる意思」を「外部に表す」ことを意思表示という。
★心裡留保
(2)心裡留保とは、内心と表示行為が異なることをいう。○…問題文の通り
民法 第93条
意思表示は、表意者がその真意ではないことを知ってしたときであっても、そのためにその効力を妨げられない。ただし、相手方が表意者の真意を知り、又は知ることができたときは、その意思表示は、無効とする。
(3)自分の車を売る気がないのに、相手方に「売ってもいいよ」と嘘を言うことは、心裡留保である。
○…内心と表示行為が異なっているので、心裡留保である。
★虚偽表示
(4)相手方と通じてした虚偽の意思表示は、無効とする。○…通謀虚偽表示である。
(5)通謀虚偽表示を理由とする意思表示の無効は、善意、悪意にかかわらず第三者に対抗することができない。
×…善意の第三者に対抗することはできないが、悪意の第三者に対抗することができる。
★詐欺
(6)詐欺による意思表示は、取り消すことができない。×…取り消すことができる。
民法 第96条
1項
詐欺又は強迫による意思表示は、取り消すことができる。
2項
相手方に対する意思表示について第三者が詐欺を行った場合においては、相手方がその事実を知っていたときに限り、その意思表示を取り消すことができる。
3項
前二項の規定による詐欺による意思表示の取消しは、善意の第三者に対抗することができない。
(7)詐欺による意思表示の取消しは、善意の第三者にも対抗することができる。
×…詐欺による意思表示の場合は、第三者がたとえ善意であっても、対抗することができる。
★強迫
(8)強迫による意思表示は、取り消すことができる。○…問題文の通り
★制限行為能力者
(9)民法では、成年被後見人、被保佐人、被補助人の3種類を制限行為能力者として保護している。×…民法では、「未成年者」、「成年被後見人」、「被補助人」、「被補助人」の4種類を制限行為能力者として保護している。
(10)法定代理人とは、弁護士など法律で代理業務を許可されたもののことである。
×…法定代理人とは、法で定められた代理人で、未成年者に対する親(親権者)等のことである。
(11)制限行為能力者を理由に行為を取り消すことができるのは、制限行為能力者本人だけである。
×…制限行為能力者はもちろんのこと、代理人、承継人(親や第三者などから、権利や地位を受け継いだ人)、同意をすることができるものが取り消すことができる。
民法 第120条
1項
行為能力の制限によって取り消すことができる行為は、制限行為能力者又はその代理人、承継人若しくは同意をすることができる者に限り、取り消すことができる。
2項
詐欺又は強迫によって取り消すことができる行為は、瑕疵ある意思表示をした者又はその代理人若しくは承継人に限り、取り消すことができる。
★未成年者
(12)制限行為能力者である未成年者とは、民法上、20歳以下のものと定義されている。×…未成年者とは、「20歳未満」のものである。20歳以下では20歳も含まれてしまう。
(13)単に権利を得たり、義務を免れたりする法律行為を除いて、未成年者が法律行為をするには、法定代理人の同意が必要である。
〇…未成年者が法律行為をするには、その法定代理人の同意を得なければならない。ただし、単に権利を得る、または義務を免れる法律行為については、この限りではない。
民法5条1項
(14)未成年者が結婚したり、結婚しなくても子供を産んだりした場合、民法上成年とみなされ、これを成年擬制という。
×…成年擬制(婚姻成年)は結婚した場合だけであり、結婚せずに子供を産んだ場合は成年擬制とはならない。
民法 753条
未成年者が婚姻をしたときは、これによって成年に達したものとみなす。
★成年被後見人
(15)精神上の障害のために事理を弁識する能力が不十分である者で、本人、配偶者、四親等内の親族などの請求によって家庭裁判所の審判を受けたものを、成年被後見人という。×…事理を弁識する能力について、
「欠く常況にある者」が成年被後見人。
「著しく不十分である者」が被保佐人
「単に不十分である者」が被補助人である
民法7条
民法11条
民法15条1項
(16)成年被後見人がした日用品の購入は、制限行為能力者を理由に取り消すことができる。
×…成年被後見人でも、日用品の購入など日常生活に関する行為は取り消すことができない。
民法9条
(17)成年後見人は自然人に限られる。
×…法人でもかまわない。
民法843条4項
(18)成年被後見人のした法律行為は、原則として、後で取り消すことができる。
〇…日用品の購入など日常生活に関する行為以外は、後で取り消すことができる。
(19)成年後見人は、成年被後見人の財産の管理に関する事務を行う。
〇…成年後見人は、財産管理にあたっては、成年被後見人の意思を尊重しなければならない。
民法853条
★被保佐人
(20)精神障害のため判断能力が不十分な者で、家庭裁判所で補佐開始の審判を受けたものを、被保佐人という。×…判断能力が「著しく不十分」なものが被保佐人。「単に不十分」なものが被補助人。
(21)被保佐人は、保佐人の同意なしでは、財産を失うような重要な行為を有効に行うことができない。
〇…問題文の通り。財産を失うような重要な行為を保佐人の同意なしで被保佐人が行った場合は、後で取り消すことができる。
民法13条4項
(22)保佐人の同意を得なければならない行為を、同意なしに被保佐人が行った場合、被保佐人のみがその行為を取り消すことができる。
×…保佐人の同意を得なければならない行為を、同意なしに被保佐人が行った場合、被保佐人だけではなく、保佐人もその行為を取り消すことができる。
(23)被保佐人が新築をするには保佐人の同意が必要だが、増改築には保佐人の同意は不要である。
×…被保佐人が新築、改築、増築、大修繕をするには、保佐人の同意を得なければならない。
民法13条1項8号
★被補助人
(24)精神障害のため判断能力が不十分な者で、家庭裁判所で補助開始の審判を受けたものを、被補助人という。〇…問題文の通り。被補助人には、補助人という後見人(保護者)が定められる。
民法15条1項
(25)本人以外の者の請求により補助開始の審判をする場合でも、本人の同意は不要である。
×…本人以外の者の請求により補助開始の審判をするには、本人の同意がなければならない。
民法15条2項
(26)補助人の同意を得なければならない法律行為を、同意を得ずに被補助人が行った場合、当該法律行為は当然に無効である。
×…補助人の同意を得なければならない法律行為を、同意を得ずに被補助人が行った場合、取り消すことができるが、当然に無効というわけではない。
民法17条4項
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