2019年11月9日土曜日

【行政書士試験・行政法】1. 行政法総論と行政の原理・・・行政書士試験の勉強で押さえておきたいポイント

1. 行政法総論と行政の原理




どうもTakaです。今回から行政法に関しても着手していきます。民法と並び、この行政書士という資格のキモとなる行政法の分野を説明していきます。


行政法とは?


行政法とは、行政に関する法ですが、行政法と言う名の法律はありません。
道路交通法、食品衛生法、建築基準法などの国民の生活を守るために国民を規律する多くの法律や行政の違法・不当な活動を制限するための法律をひとくくりにしたものを行政法といいます。


行政ってなんだろう?


行政が行なっているものは、水道の運営や警察、福祉、教育、環境、まちづくりなど非常に多種多様です。これらを定義してみるのは難しいので、一般的には、
行政とは「国家の作用のうち、立法でも司法でもないものが、行政である」と定義しています。


行政の原理


役所が国民の権利を制限したり、国民に義務を課すには、必ず法律の根拠が必要となります。これを行政の原理といいます。


行政手続法とは


法律の根拠がある処分をするとしても、処分の前提となる事実の確認に誤認があったりしては国民の権利は守れないので、法律を適用し執行する際の手続きを定めているのが行政手続法です。


行政指導とは?


法律の根拠がなければ役所は行政活動をしなくてもよいわけではありません。強制的・権力的な活動を行うためには法律の根拠が必要になりますが、協力を依頼する非権力的な形での活動は必要となる場合もあります。これを行政指導といいます。


法律による行政の原理


行政活動の原理


行政活動は国会で決められる法律に従って行わなければならないということです。
具体的には次のような原則に基づいて行政活動は行われます。

①法律優位の原則
行政活動はすでに存在している法律の定めに違反して行われてはならないという原則。

②法律留保の原則
ある行政活動を行うには必ず法律の根拠が必要であるという原則。

しかしながら、全ての行政活動に法律の根拠を必要としてしまうと、迅速に物事に対応できなくなってしまう恐れもあります。その為、国民の自由と財産を侵害するような行政活動についてのみ法律の根拠が必要であると解されています。


法の一般原理


他には、行政活動も法の一般原理に従います。

法の一般原理には以下のものがあります。

①平等原則
行政というものは、ある一定の条件下では、誰に対しても同じように振舞わなければなりません。

②比例原則
行政活動で国民に対して規制をするときは、その規制によって除外しようとする障害や危険の程度に比例した必要最低限のものでなければなりません。

③信義則
役所は、相手方の信頼を裏切るようなことをしてはなりません。

④行政法と民事法
過去においては、実定法を公法体系と私法体系に分けて、権利についても公権と私権にわけて通用する法体系を決めるような公法私法二元論を基礎とした解釈論もありましたが、そのような考えはもうされておらず、行政法関係においても民事法が適用される場合は少なくないのが現状です。
例えば、国が何かの物品を購入する場合、国有財産を売却することは私法上の売買契約に当たります。水道供給についても地方公共団体との契約によっています。ただし、民事上の契約であったとしても、例えば水道契約のように私人間の契約とは違って「契約自由の原則」とはいかず、役所側は契約が強制されるように、国や地方公共団体が当事者となる場合には、私人間とは異なった配慮が必要とされる場合もあります。


次は、行政法の行政組織について紹介しています。
➡【リンク】2. 行政組織

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