【重要判例】 貸金請求事件(商人資格の取得時期)
/最判昭47.2.24
どうもTakaです。今回は、自然人が商人資格を取得するとされる、開業準備行為とは何かが争われた商人資格の取得時期について紹介したいと思います。
貸金請求事件(商人資格の取得時期)の内容
Aさんは、映画館を開業したいと考えていましたが、資金が足りませんでした。そこで、Aさんは、映画館開業の準備資金とする旨を告げてBさんから金銭を借り入れました。
しかし、AさんはBさんへ借りた金銭を返すことができませんでした。Bさんは、Aさんに対して貸したお金の請求をしましたが、その後、Bさんの貸金請求に対し、商法522条による5年の商事消滅時効を援用したことがこの事件の内容です。
商法522条
商行為によって生じた債権は、この法律に別段の定めがある場合を除き、五年間行使しないときは、時効によって消滅する。ただし、他の法令に五年間より短い時効期間の定めがあるときは、その定めるところによる。
※削除
新民法166条
1項
債権は、次に掲げる場合には、時効によって消滅する。
一 債権者が権利を行使することができることを知った時から五年間行使しないとき。
二 権利を行使することができる時から十年間行使しないとき。
貸金請求事件(商人資格の取得時期)の争点
自然人が商人資格を取得するとされる、開業準備行為とは何か?
判決のポイント
開業準備行為とは、相手方以外のものにも客観的に開業準備行為と認められ得るものであることを要する。単に金銭を借り入れる行為は、特段の事情のない限り、その外形からはいかなる目的で行われてたかを知ることができないから、その行為者の主観的目的のみで直ちに開業準備行為をすることはできない。もっとも、その場合でも、取引の相手方が、事情を熟知している場合には、開業準備行為として商行為性を認める。
すなわち、開業準備行為は、客観的に開業準備行為と認め得るものであるのが原則。
判決要旨(最高裁判所HPより抜粋)
一、開業準備行為が商行為となるためには、それが客観的にみて開業準備行為と認められうるものであるごとを要し、単に金銭を借り入れるごとき行為は、特段の事情のないかぎり、これを商行為とすることはできない。
二、営業を開始する目的をもってする単なる金銭の借入れも、取引の相手方がその事情を知悉している場合には、これを附属的商行為と認めるのが相当である。
➡【リンク】最高裁判所HP・・ 昭和46(オ)492
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