2019年8月27日火曜日

【重要判例】実印と正当理由

【重要判例】実印と正当理由/最判昭27.1.29


【重要判例】実印と正当理由/最判昭27.1.29


実印と正当理由の内容


Aさんが南方に赴任して不在中、妻Bが、保管を託されていたAさんの実印を使用して、Aさん所有の宅地・建物をCさんに売却した。

実印と正当理由の争点


実印を保管していることが、妻に土地売却の代理権があると信ずるべき正当な理由があるとはいえ、表見代理が成立するか?

判決のポイント


実印保管では、妻に土地売却の代理権があると信ずべき正当な理由がるとはいえず、表見代理は成立しない。


判決要旨


夫が陸軍司政官として南方に赴任して不在中、妻が無断で夫を代理し、夫所有の土地建物の売買契約をした場合、たとえ当時妻が夫の実印を保管していた事実があり、また妻および仲介者等が買主に対し、自ら代理権があると告げた事実があつたとしても、それだけでは、未だ買主は、右売買契約の締結につき、妻において夫を代理すべき権限をもつていたと信ずべき正当の理由があつたということはできない。


➡【リンク】最高裁判所HP・・ 昭和24(オ)153

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