【重要判例】 所有権確認等請求事件(時効と登記)/最大判昭41.11.22
どうもTakaです。今回は、平穏・公然・善意・無過失で占有を開始した不動産の時効取得者は、取得時効の進行中に土地所有者から当該不動産の譲渡を受けその旨の移転登記を経由した第三者に対して、時効完成後、登記がなくても所有権の取得を主張することができるのかが争われた「 所有権確認等請求事件(時効と登記)」について紹介したいと思います。
所有権確認等請求事件(時効と登記)の内容
Aさんは、Bさんが所有する土地を平穏・公然・善意・無過失で占有を開始し、その間にBさんは、その土地を第三者であるCさんに売却した。その後Aさんが当該土地の取得時効期間を経過した。
所有権確認等請求事件(時効と登記)の争点
平穏・公然・善意・無過失で占有を開始した不動産の時効取得者Aは、取得時効の進行中に土地所有者Bから当該不動産の譲渡を受けその旨の移転登記を経由した第三者Cに対して、時効完成後、登記がなくても所有権の取得を主張することができるのか
判決のポイント
時効取得者Aは、時効完成後に登記を経由した第三者に対しては時効取得を対抗できないが、第三者Cのなした登記後に時効が完成した場合には登記を経由しなくても時効取得を対抗できる。
時効完成後の第三者Cは民法177条の対抗問題となるが、時効完成前の第三者は対抗問題とはならない。
なぜなら、時効完成後の関係は、B→AとB→Cという二重譲渡類似の関係にあるから。時効完成前の関係は、B→C→Aという当事者類似の関係にあるから。
時効取得者が、所有権を対抗するには
時効完成前の第三者に対しては・・・登記は不要
時効完成後の第三者に対しては・・・登記が必要
判決要旨(最高裁判所HPより抜粋)
不動産の時効取得者は、取得時効の進行中に原権利者から当該不動産の譲渡を受けその旨の移転登記を経由した者に対しては、登記がなくても、時効による所有権の取得を主張することができる。
➡【リンク】最高裁判所HP・・ 昭和38(オ)516
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