2020年1月16日木曜日

高知落石事件って何?行政書士試験の重要判例・・管理の瑕疵により損害が発生しても国・公共団体は賠償責任を免れるか?

【重要判例】高知落石事件/最判昭和45.8.20

【重要判例】高知落石事件/最判昭和45.8.20


どうもTakaです。
今回は、道路における防護柵等を設置することが予算上困難である場合、道路管理の瑕疵により損害が発生しても、国または公共団体は賠償責任を免れることができるかが
争点となった「高知落石事件」を紹介したいと思います。

高知落石事件の内容


高知県の山間部にある国道56号線を走っていたトラックに落石が直撃して、助手席に乗っていた人が死亡しました。この道路には以前から落石が多かったが、県は「落石注意」の標識程度の対策しか行っていませんでした。そこで、死亡した被害者の遺族が、事故は国道の管理者である国・県の道路管理に瑕疵があったことが原因であるとして、損害賠償を請求した事件です。

高知落石事件の争点


道路における防護柵等を設置することが予算上困難である場合、道路管理の瑕疵により損害が発生しても、国または公共団体は賠償責任を免れることができるか?

判決のポイント


免れない。


国家賠償法2条でいう設置管理の瑕疵とは、営造物が通常有すべき安全性を欠いていることをいい、これに基づく国及び公共団体の賠償責任については、その過失の存在を必要としないとし、さらには落石の対策には予算が掛かり、管理する国や県が困ることにはなるが、だからといって莫大な費用が掛かることは免責事由とはならない。

国家賠償法2条 
1項 
道路、河川その他の公の営造物の設置又は管理に瑕疵があったために他人に損害を生じたときは、国又は公共団体は、これを賠償する責に任ずる。 
2項 
前項の場合において、他に損害の原因について責に任ずべき者があるときは、国又は公共団体は、これに対して求償権を有する。


➡【リンク】最高裁判所HP・・  昭和42(オ)921

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