【重要判例】個人タクシー事件/最判昭46.10.28
今回は、事業免許申請の許否手続において抽象的な免許要件を定めていれば足りるか?行政庁は申請人に主張・立証の機会を与える必要があるのか?が問われた「個人タクシー事件」について紹介したいと思います。
個人タクシー事件の内容
Aさんは、陸運局長Bさんに対して、一般乗用旅客自動車運送事業(個人タクシー)免許申請を行なったが、道路運送法6条1項3号〜5号の用件に該当しないことを理由に申請が却下された。これに対し、Aさんは陸運局側はあらかじめ審査基準を定めてその内容を申請人に告知することにより申請人に主張と証拠提出の機会を与えるのべきにもかかわらず、それがなされないまま申請を却下したのは、職業選択の自由にかかわる法的利益を侵害するものであり違法であり違法であると主張し、Aさんは申請却下処分の取消しを求めて出訴した。
個人タクシー事件の争点
①個人タクシー事業の免許申請の許否手続において抽象的な免許要件を定めていれば足りるか?
②申請人に主張・立証の機会を与える必要があるのか?
判決のポイント
①抽象的な免許基準だけでは足りず、具体化した審査基準を設定しなければならない。
②申請人に主張・立証の機会を与える必要がある。
個人タクシー事業免許が個人の職業選択の自由に関わりを有すことと、道路運送法の規定を合わせ考えれば、多数のもののうちから少数特定の者を具体的個別的事実関係に基づき行政庁の判断を疑うことが客観的にもっともと認められるような不公正な手続きをとってはならず、法律上の抽象的な免許基準を具体化した審査基準を設定し、基準を適用する上で必要とされる事項について、申請人に主張と証拠の提出の機会を与えなければならない。
➡【リンク】最高裁判所HP・・ 昭和40(行ツ)101
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